大体今日は皆最初から変だったんだ。
部活に行く前に三井さんに偶然会って一緒に部活行った時も、
危うく口げんかが始まりそうだったのに、なんと三井さんから言い合いをやめたのだ。
これには正直言って本当に驚いた。もっと正直言うと気持ち悪かった。
それを口に出したら案の定頭を殴られたけど、その力も手加減してあって更にオレを驚愕させた。


部活に行ったら1年全員がもうすでにそろっていて、
オレが入った途端いやに皆輝かせるもんだから(流川を除き)
一体何なんだよと聞いて見たけど皆聞き流すだけだった。
「いつも影が薄いリョーちんにもこんな幸せな日がくるんだなー」
うんうん頷きながらそう花道が言ってきて、オレは眉をひそめた。
「いつも影が薄いだと?っつかこんな日ってどんな日だよ」
すると花道は目を丸くして、しばらくオレをその目で擬視してから
三井さんのとこへ走っていった。
2人で何か喋っていたのでオレも行こうとすると、
2人共なぜか違う所へ散らばってしまった。
何だか自分一人だけ、何かのヒミツを知らないみたいで嫌な感じだ。
その事を聞いて見ても何か曖昧な返事が返ってくるだけだし、
ますます訳がわからない。
「なんなんだよ皆揃って。気持ちわりいなぁ」
そう呟いた時、マネージャー2人が体育館に入ってきた。
当然オレの目は同い年のマネージャーに向いた訳だが、
そのマネージャーとオレの目が合った途端
にこっと笑われたものだから首を傾げずにはいられない。
晴子ちゃんの方を見てみても、皆と同じにこやかな顔をしてるだけだった。
「何?彩ちゃん達もこいつらに付き合わされてんの?」
といって親指で後ろを指したら、
「何だとてめー、人が思いやりをもってやってるっつうのに!」
と三井さんにボールをぶつけられた。
その言葉を聞いて、オレはますます気味が悪くなった。
「え、何これゲームっすか?
三井さんから思いやりなんて言葉聞けるのなんて1年に1回あるかないか…」
オレが三井さんにそう言ったら余計三井さんは怒っていたけど、
その言葉を聞いた彩ちゃんは、一瞬花道と同じ様に目を丸くした。
それから、にこやかな笑顔で、こういわれた。
「部活が終わった後、わかるんじゃないかしら」
オレはとりあえず「そう?」とでも言っておいて、また首をかしげた。
部活中ずーっとその事が気になっていたから、
あまり、というか、全然練習に集中できなかった。

 

「はいこれリョータ」
終わった後に彩ちゃんに渡されたものはバースデーケーキで、
花道が勝手にろうそく消したり三井さんが勝手に食い始めたりして、
めでたい雰囲気なんてもんなかったけど、
ようやく謎は解けたのだった。

こんなに皆が優しく接してくれるならこんな日がずっと続けばいいのに、
と思ってから、
それはやっぱりあまりにも気持ち悪いから嫌だ、とか思いなおしたりした。

 


 

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